校長より
函館工業高等専門学校(函館高専)は、1962年4月に高等専門学校(高専)の第一期校として開校されて、2022年に創設60周年を迎えました。開校以来、産業の発展を担う優秀な実践的技術者を多く送り出し、官公庁・大手優良企業・地場企業など、社会で高く評価されております。これまで本校に関わっていただいたすべての関係者の皆様に、厚く御礼を申し上げます。
高専は中学校卒業後に入学でき、5年一貫で、技術者に必要な豊かな教養と体系的な専門知識を身に付けることを特色としている高等教育機関です。本科を卒業すると準学士(工学)の称号を授与されます。また、専攻科を修了し大学評価・学位授与機構の定めた条件を満たした者には、学士(工学)の学位が授与されます。その後、実践的な技術者として社会で活躍するばかりでなく、大学・大学院へ進学する学生も多く、将来の夢に向かって幅広い可能性を提供しております。
近年では、高度情報化やグローバル化が急速に進む国際社会で、エンジニアに求められる資質・能力はますます高度化、多様化しています。このことから、本校では、「地域と海外をつなぐ高専」として海外の教育機関と連携し、国の枠を超えて社会の課題発見・解決策に向け、「自ら考えて行動できる力」を持ったグローバルエンジニア育成を目指しています。幅広い知識を持ち、様々な能力を兼ね備えたエンジニアを育成するために、実験・実習などの実践的な専門技術教育の他に、海外教育機関と連携強化を図りながらグローバル探究等の国際交流活動やSTEAM教育も導入しています。
本学の私の考える今年度のスローガンは、【新しい風を吹かせる】です。
皆さんは、変化の風になれるのです。変化を受け入れる・もたらすことは、なかなか難しいと考えがちです。しかし、皆さんはすでにその変化を受け入れて生活をしております。今回のコロナウイルス感染症拡大による社会活動の停滞において、対面講義の代わりにWeb講義、オンデマンド講義、出張による企業訪問に代わりWeb会議の活用・普及など、皆さんは知らずに新しい価値(=風)を享受しております。
高専に吹かせる新しい風とはつまり、これまで有した高専の魅力や資源を活かし、社会が循環するしくみづくりに挑戦し、日本のものづくり産業を支える基盤として、またグローバル成長の次へのステージへむけて、活気を創るモデルを築くことで、高専教育のすばらしさを日本全体、海外へと発信できるのです。
函館高専では、『汝が夢を持て 大志を抱け 力強かれ』を校訓に、地域とともにある高専、地域に貢献できる高専であると同時に、全ての学生が国際社会で挑戦していくグローバルエンジニアとして、将来、社会に羽ばたいていくことができる土台を築くことができるよう、教職員一同、学生を支援し、応援してまいります。今後とも函館高専の教育へのご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
校長 清水 一道