函館高専のデータサイエンス・AI教育プログラム
背景
2019年に政府が示した「AI戦略2019」のなかでは、「文理を問わず、全ての大学・高専生(約 50 万人卒/年)が、課程にて初級レベルの数理・データサイエンス・AIを習得」することが目標として挙げられています。
AI・データサイエンス教育プログラムの目的
函館高専のAI・データサイエンス教育プログラム(本プログラム)は、上記の目標に基づき、本校の入学生全員に数理・データサイエンス・AIの基礎を教育することを目的とした教育プログラムです。
プログラムの学修成果
次世代を担うデジタル人材として次の能力が身につけられます。
・AI・データサイエンスの基礎的素養の修得
・データを読む、分析する、説明する基礎能力
・デジタルデータを扱うためのプログラミング基礎能力
修了要件
本プログラムの修了要件は、以下に示す第1学年の4つの必修科目の単位を修得することです。
・工学リテラシー
・情報処理基礎
・工学基礎実験
・プログラミング入門
実施体制
【責任者・委員会】 | 【役割】 |
学校長 | 運営責任者 |
教務委員会 | プログラムの改善・進化 |
運営会議 | プログラムの自己点検・評価 |
学習内容
【授業に含まれている内容・要素】 | 【科目名】 | 【講義内容】 |
(1)現在進行中の社会変化(第4次産業革命、Society 5.0、データ駆動型社会等)に深く寄与しているものであり、それが自らの生活と密接に結びついている | 工学リテラシー
情報処理基礎 |
AI・データサイエンス、Society5.0 等を含む情報技術の現状について理解し、課題解決方法について理解する。 |
(2)「社会で活用されているデータ」や「データの活用領域」は非常に広範囲であって、日常生活や社会の課題を解決する有用なツールになり得るもの | 工学リテラシー
情報処理基礎 |
データの基礎、文字・数値・画像データのコンピュータ内部の表現、課題解決のアルゴリズムの基礎などを理解する。 |
(3)様々なデータ利活用の現場におけるデータ利活用事例が示され、様々な適用領域(流通、製造、金融、サービス、インフラ、公共、ヘルスケア等)の知見と組み合わせることで価値を創出するもの | 情報処理基礎 | 情報技術がネットワークをはじめさまざまな分野で役立っていることを理解する。データの活用により新たな応用が創出されることを理解する。データ活用における課題に対して、さまざまな手法を用いた解決方法を考察する。 |
(4)活用に当たっての様々な留意事項(ELSI、個人情報、データ倫理、AI社会原則等)を考慮し、情報セキュリティや情報漏洩等、データを守る上での留意事項への理解をする | 情報処理基礎 | 情報のモラルと情報化が個人に及ぼす影響について理解する。コンピュータウィルスが招く脅威について理解する。個人情報とプライバシー、著作権について、それらを保護する方法を理解する。 |
(5)実データ・実課題(学術データ等を含む)を用いた演習など、社会での実例を題材として「データを読む、説明する、扱う」といった数理・データサイエンス・AIの基本的な活用法に関するもの | 工学基礎実験
プログラミング入門 |
実データや実課題を用いてデータを処理し、グラフを作成することにより「データを読む、説明する、扱う」といった数理・データサイエンス・AIの基本的な活用法を身につける。C言語を用いてプログラミングの基礎を身につける。 |
教育プログラム自己点検評価
申請書
・数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)申請書