定年退職するにあたって

技術教育支援センター長/技術長 高橋 一英


「技術教育支援センター令和3年度活動報告書」の刊行にあたりご挨拶申し上げます.

巻頭言を技術教育支援センター発足から14回掲載させて戴きましたが,定年退職に伴い本稿が最後となります.つたない文章を長い間お読みいただき,誠にありがとうございました.

令和4年4月,桜前線は函館からまだ遠いところにあるようで,開花前のつぼみ時期に原稿を書いております.まだまだコロナ感染症が落ち着く気配はありませんが,感染対策をしっかりと行い,コロナ禍での入学式が挙行されました.新1年生が元気よく対面での入学式を迎えることができ嬉しい限りです.

昨年度は,感染力の強いオミクロン株が猛威を振るい,令和4年1月末頃の工作実習では,最終4パート目の残す2週分がオンデマンドによるレポート提出でありました.長いこと工作実習の指導を担当してきましたが,実技なしでの実習修了は初めてです.学生は実際に機械に触れ実習する機会を逃したことになり残念です.それでも,本校は令和4年4月の新年度から通常授業に戻り,新たな船出となりました.

私自身も3月末で定年退職となり,奇しくも再雇用勤務の新たな船出となりました.
 ここからは再雇用者の勝手な回顧録として,本校の技術職員組織の変遷を振り返ってみたいと思います.
 そもそも技術職員の組織化は,私の記憶している限りでは,全国高専からの年報情報やホームページから察するとおよその前後期間はあるものの,全国的に第一期~第二期の2段階で行われてきたイメージがあります.
 函館高専の事例では,第一期が平成12年12月1日に技術室として技術職員による初めての組織を発足させました.技術室長を筆頭に室長補佐,第1技術グループ(機械系),第2技術グループ(電気電子系・情報系),第3技術グループ(物質系・環境都市系)の3つのグループ構成で技術職員18名により組織化されました.
 第二期は平成20年4月1日には2次改組が行われ,技術教育全般の更なる支援充実を図る目的で,技術教育支援センターを発足させました.センター長を筆頭に副センター長,企画運営グループ,教育支援グループ,研究支援グループの3つのグループ構成で,当初は技術職員16名(再雇用3名含む)により組織化されました.  
 新設センター組織では,担当責任者制を導入することで業務の分担化を進め,業務のマネジメントを強化することで,技術職員全体の支援業務を客観的に把握することが可能となりました.初年度は校長が事務取扱となりセンター長は不在,副センター長を拝命,次年度にはセンター長を拝命,その後,令和4年3月まで14年間,技術長としてセンター長の責務を全うすることができました.
 途中,平成30年4月から,地域連携強化を理由に,分かり易いグループ名称への変更(機械加工技術班,電気電子・情報技術班,分析機器・環境技術班)を経て,敢えて第三期とは言わず,第二期の最終形として,それまで技術長がセンター長を兼務していましたが,令和4年4月からセンター長は教員(任期2年)が就任することになり,副センター長は技術長となります.技術職員15名(再雇用2名含む).地域連携協力活動を一段アップ加速させ,本校の地域共同テクノセンターと連携することで,さらなる機動力の強化を狙ったものです.

これからも皆さまのご指導・ご鞭撻の程よろしくお願い致します.

以下にこれまでの高橋の成果物の一例を示す。