コロナ禍での技術職員活動について

技術教育支援センター長/技術長 高橋 一英


「技術教育支援センター令和2年度活動報告書」の刊行にあたりご挨拶申し上げます.

昨年は,緊急事態宣言などコロナ感染症の猛威に脅かされた1年でありました.今年もなおその勢いは収まらず,第4波が来るかもしれないといった3月末時期に執筆しております.皆様にこの巻頭言が閲覧できる頃には,ワクチン接種による集団免疫が全国に波及してコロナ感染症が収束しており,オリンピックの開催が予定どおり順調に行われていることを信じて,切に願っている現在の心境です.

コロナ感染症の拡大防止のため,本校施設の外部利用制度であるテクノセミナー(休止),機械設備等の有償貸付(一部制限),技術相談などは著しく制限を受け,思うような活動はできませんでした.

昨年3~6月の期間は技術職員も例外なく,技術教育支援センター独自の在宅勤務実施要領を整備して,テレワーク活動を行いました. テレワークの全体的な流れは以下の通りです.
・各センター員は在宅勤務の実施前日までに,Teamsの就労時間・業務内容報告一覧(excel表)に予定業務を簡潔記載➡センター長承認➡在宅勤務承認申請書をFormsにより事前提出
・在宅勤務の当日は,始業及び終業時刻と業務報告(具体的に)をTeamsの就労時間・業務内容報告一覧(excel表)に記載する.

また,Teams会議(班長は音声記録を残す)を用いたテレワーク当日の詳細な流れを以下に示します.
 ①始業時8:30分に各班長が班員を招集,Teamsに参加し当日の業務内容をお互いに確認する.
 ②技術教育支援センター全体ミーティング(朝礼)を8:50分にTeamsで実施し,各班長から前日・当日の業務報告のあと,業務の進捗状況や問題点等の確認などを行い,センター内の情報共有を図る.
 ③終業時頃16:40分には再び各班長が班員を招集,Teamsに参加し当日の業務報告を行う.変更がある場合は就労時間・業務内容報告一覧(excel表)に赤字で記入する.
 ④一日終了後は,速やかに在宅勤務報告書をセンター長に提出する.(就労時間・業務内容報告一覧(excel表)の記入で代替)
 ⑤センター長は内容を取りまとめ,総務課(校長)にexcel表を業務報告として提出する.

以上,業務報告としては,実験・実習の改善・テキスト修正,技術継承資料作成,担当技術分野の学習・資格勉強,遠隔授業支援(授業指導,資料作成),プログラミングの学習,投稿論文の作成,遠隔による学生PC不具合対応,学内NWリモート作業,など業務は多岐に渡り,短期間であったがテレワークは組織的に管理され充実した内容でありました.このように組織的に管理されたテレワークは来年3月で定年退職を迎える小生にとっては,人生一度切りの貴重な体験でありました.テレワークの経験は,今後の技術職員による授業支援および組織運営の将来展望に何かしらのプラス効果があればと期待しています.
 前期の座学に類する授業は遠隔授業を行いましたが,実験・実習,演習などの座学以外の実行型の授業はすべからく殆どが後期にまとめて移行されました.学生,教職員は密度の高い時間割による“濃厚な授業”となりました.

<最後に新人紹介です>
 令和2年度は,物質分野の新規採用者1名を仲間に迎えております.本校専攻科のOGで明るく元気な性格で,採用から間もなく甲種危険物取扱者,X線作業主任技術者の資格を取得するなどチャレンジ精神が旺盛で,向学心を前面に日々頑張っております.採用されて直ぐのテレワークは社会全体でもそうであったように少し気の毒ではありましたが,持ち前のポジティブ力でセンターに貢献しています.