本科2年生の物理分野の学習への取組み姿勢に関するアンケート結果

本事業の連携校である7つの高専において本科1年生受験者総数249名を対象とした 物理分野の学習への取組み姿勢に関するアンケート結果およびこれらの結果を踏まえて 今後取り組むべき事項などについて示します。


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1. 物理(平均的に考えて)の授業についてどう思いますか。



物理分野では学年進行とともに学生の理解度がやや低下する傾向が認められる。 また、授業内容がほとんど理解できず不安を感じている学生の数も増加している。
低学年で学んだ基礎知識の確実な定着と学生の日常的な学習を支援する教材や仕掛けを 本事業で開発、提供し、学習に対する学生の不安を低減し、伸び伸びと安心して学べる学習環境を提供していく。



2. 物理(平均的に考えて)の授業姿勢について、近いのはどれですか。



半数以上の学生が講義時間中にノートを取ることだけに集中しており、このことが学生の理解度の低下の1つの要因であると考えられる。
反転授業、アクティブラーニングなどの積極的な導入と教員の講義力の向上により、 学生の理解度の向上と知識・能力の確実な定着を目指す必要がある。



3. 物理(平均的に考えて)で、宿題は出ていますか。



高専2年の物理分野では宿題が時々出る場合とほとんど出ない場合の合計が73.3%となっており、 高専1年生のアンケートの同じ項目の合計の38.7%のおよそ2倍の値となった。
高専低学年で習得した物理分野の知識は工学的課題を解決する際に非常に役立つため、 従来の形式の宿題に加えて、ICTを活用してオンライン上で宿題について学生同士や教員が添削や意見交換を行える環境を本事業で整備していきたい。



4. 物理(平均的に考えて)で、定期試験のための勉強はいつ頃からスタートしますか。



高専2年生では、大部分の学生が定期試験1週間前にしか勉強を開始しないと回答している。
定期試験前だけでなく日常的な学習を支援する教材を開発、活用するとともに 学生自身が自分の苦手分野や学習項目を把握できる仕組み(例えばポートフォリオ)を整備することで学生の主体的な学びを促していきたい。



5. 物理について定期試験や実力試験の答案返却後の勉強についてあてはまるものはどれですか。



大多数の学生が自分の苦手とする問題に対して見直しや復習を行っている。
学生自身が自分の苦手分野や学習内容を見直す際に学生の理解と知識の定着を支援する学習教材の開発と活用、 またICTを用いたそれら教材の配信を行っていきたい。



6. 物理について学習上の悩みで最も大きいのはどれですか。



学生が心地よく学べる学習環境の改善だけでなく、 数学分野の知識が専門工学の課題解決にどのようにつながっているのかを教員が示すことで学生の学習意欲の向上が期待できる。
また、勉強方法については学生の学習習慣や個性に対応するためにいくつかのタイプの教材や配信方法を検討していきたい。



7. 今回のコンピュータ形式のテストの操作は容易でしたか。



操作に慣れるまでの時間に個人差はあるが、試行したCBT形式の到達度評価試験システムの操作性に大きな問題や障害はないと判断する。
今後、学生の操作をナビゲーションする機能の搭載も検討していきたい。



8. コンピュータに表示される問題(文字や図など)は見やすかったですか。



今回の到達度評価試験システムでは数式やイラストを画像として試験画面に表示したため、 一部の試験問題で文字サイズが小さくなり見えにくくなった。
次回の到達度評価試験では文字サイズやイラストの表示について改善を行う。



9. あなたにとってこのテストの問題数は適切でしたか。



高専2年生を対象とした到達度評価試験(パイロット試験)では、多くの学生が出題された問題数は適切であったと回答した。
今回実施した到達度評価試験で取得した解答時間、正答率などのデータを統計処理し、適切な試験時間と設問数を設定していきたい。

10. あなたにとってこのテストの解答時間は十分でしたか。



物理分野の高専2年生対象の到達度評価試験では、90%以上の学生が解答時間時間は十分であったと回答した。
今回実施した到達度評価試験(パイロット試験)で取得した解答時間、正答率などのデータを統計処理し、適切な試験時間と設問数を設定していきたい。

11. 他科目についてもコンピュータ形式のテストを受験したいと思いますか。



半数以上の学生は今回実施した数学分野、物理分野だけでなく興味のある科目についてもCBT形式の到達度評価試験の受験を希望している。
次年度は他分野についてもCBT形式での到達度評価試験の実施を予定しており、 学生の到達度の測定と学生の主体的な学びを促進するシステムの構築に取り組んでいく。
およそ40%の学生が受験したくないと回答した理由の1つとして、実施した到達度評価試験が自身のキャリア形成に対しどう活用されていくか、 また学生にとって現状の学力を判定されることがどういう意味があるのか、などの情報が学生に十分に提示できていなかったことが挙げられる。
そうした意味でもこの到達度評価試験の結果を学生のキャリア指導とも重ねた学習指導、教材の提示機能の実装、授業方法の 目に見える改善(FD)などにつなげていくことが重要である。

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