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基調講演   概要・進捗状況説明   学生による企業ニーズ取組成果発表   今年度総括
  


■基調講演
演題 「高等専門学校生への期待 〜社会人として技術者として〜」

講師 NECネッツエスアイ・エンジニアリング株式会社 代表取締役社長
    函館工業高等専門学校 特専教授(マイスター)
    榊 原 修 平  氏


<講演概要>
函館工業高等専門学校電気工学科の一期生でもある榊原氏が、ご卒業後40年間、変遷する社会情勢の中、グループの一員からグループのリーダー、さらには会社のリーダーへと責任ある立場に変遷していく経験を通し、高等専門学校卒業生に期待すること、必要なことなどについてお話いただいた。
また、現在の社会情勢を踏まえ、社会の急激な変化へ迅速に対応していくための未来志向のビジョンと、改革を実現していくことの大切さを語られた。
高専生に伝えたいこととして、

「社会に出て、会社の一員となった時、学生時代に思い描いた通りになることは滅多に無い。」
「何事も経験と捉え、前向きに取り組むことが大切である。」
「悲観的にならない。いつも問題はある。仕事とはその問題を解決することであることをわかって欲しい。」
「いつの時代も若い人が旧態を打破してきた。現状に甘んずることなく時代を切り開いていって欲しい。」
と語られた。
 最後に高専生に期待することとして、

「モノを創造することを苦にせず、喜びにできる人」
「仕事の前に、社会人としての自覚が備わった人」

になるよう前進して欲しいと講演を結ばれた。
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演題垂れ幕

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榊原氏による講演

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スクリーンを用いた発表



■概要・進捗状況説明
取組実施責任者:物質工学科教授 小 林 淳 哉

<概要>
取組内容については
本校現代GPのHPを参照。

<進捗状況>
現在までにマイスター8名(他候補3名)に協力いただいている。
今回は9テーマについて報告する。
テーマの吸い上げやマイスター候補の依頼に当たっては、地域共同テクノセンターが会社訪問などを通して行なっており、次年度には新たに3名の方にマイスター候補として協力いただけることになっている。
この取組は函館市の退職者定住化政策とも連動している。
次年度では、出身5学科を多様に組み合わせることを可能とし、より実践的なテーマに取り組む。



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小林教授による取組概要説明



■学生による企業ニーズ取組成果発表
<環境システム工学専攻>
★炭化綿の有効利用
(株式会社エサシ建材)

エサシ建材の炭窯で作成した炭化綿を、建築用断熱材や脱臭・吸着剤他への活用を目的として取り組んだ。
商品化を意識した炭化綿シートを作成し、商品価値について試算し提案した。


!?質問・意見の抜粋?!
 ある種の商品として効果があれば、今後大手企業が算入することも視野に入れなければいけない。
今回の提案で、大手企業が簡単に真似できない技術はどこにあるのか?




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炭化綿チーム



★浄水汚泥の有効活用に関する提案
(函館市水道局)

 浄水汚泥の有効活用として、本校グラウンド用土、芝生の目土としての利用の可能性を調べた。
グラウンド用の土としては、締め固め試験結果から判断して改善が必要。
しかし芝生の目土としては、雑草の種子の混入、残留金属(アルミニウム)による生育阻害、透水性など一定条件をクリアしている。
市販の目土の粒径分布と比べると、細かい粒子が多いが、十分適用可能であると結論した。
市場調査結果を踏まえ、販売方法について提案した。


!?質問・意見の抜粋?!
販売方法について、浄水場としてのセキュリティから再考する必要がある。
販売するには、もう少し「確かに目土として適用できる」というデータが欲しい。



浄水汚泥チーム



★魚にやさしい魚道の提案
(NPO法人 北海道魚道研究会)

 流木や枯葉などが詰まって機能していない魚道が多い。
そこで、魚道出口(つまり川の上流側)に流木等が入り込むことを防ぐ目的で設置を義務付けられているスクリーンの効果について、水理実験を通して調査した。
スクリーンが枯葉や砂で閉塞していくプロセスを明らかにし、最適なスクリーン形状を提案するとともに、スクリーン前に一種の障害物を設置することの有効性を示した。

 
!?質問・意見の抜粋?!
砂がスクリーンの閉塞に関係しているというメカニズムの詳細についての質問や、実験条件の妥当性についての質問があった。



魚道模型



<生産システム工学専攻>
★イカロボットの制御に関する提案
(ロボット・フェス・インはこだて市民の会)

イカロボットは昨年夏の函館港祭りでパレードに参加し市民の注目を浴びた。
今回は、音楽を取り込んで【函館名物 イカ踊り】を踊れるように制御した。
また手拍子に反応して、自らも手拍子を打つように制御、さらに夜間のパレードでも映えるようにLEDによる電飾を施した。


!?質問・意見の抜粋?!
このロボットを今後どのように改良していくのかという質問に対し、音楽を自らが判断して最適な動作をとるように改良することや、自走できるようにするなどしていきたいと回答があった。
今年の夏のデビューに向け、防水対策を施す必要がある。




手拍子するイカロボット



★セグメントELの有効利用に関する提案
(株式会社函館セコニック)

企業からのニーズは、セグメントELの活用へ期待を持たせる効果的なデモンストレーション作品である。
今回は2グループが取り組んだ。


@ 自動車用スピードメーターへの適用
 アクセルを踏み込むと、スピードメーターと現在の速度が異なる蛍光色のELで輝く。
日中・夜間のどちらの条件でも、点灯時と消灯時の輝度差は要求される規格を満たしている。
薄くできることで軽量化・自動車への装着の容易さが実現できる。


!?質問・意見の抜粋?!
製造コストは折り合うのかという質問に、今回はセグメントELをPRするための作品であることからコストは考慮していないという回答、さらにELの様々な使用方法の有効性が認識され、大量生産につながりELの製造コストがどこまで下がるかがポイントであると回答があった。




A 電子ピアノのガイド機能
 薄型を特徴とする電子ピアノでは、その薄型を実現するためにLEDなどを取り付けられず、曲のガイド機能がないものがある。
これをELの特徴である薄さを活かし、ガイド機能のある製品へと改良した。


!?質問・意見の抜粋?!
非常にコンセプトがわかりやすい。
実際の製品化に向けて協議してみてはどうか。








ELを施したスピードメーター




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ELを施したハンドロールピアノ



★発注・生産管理システムの作成
(株式会社 函館酪農公社)

 多彩な自社製品へ寄せられる顧客からの発注を入力し、生産管理台帳の作成へとつなげられるプログラム開発を行なった。
プログラム開発であるから、使用上のヘルプ機能を充実させ、使い勝手の向上を目指した。
その上で、プログラムの導入価格・更新にかかわる費用計算を行なった


!?質問・意見の抜粋?!
プログラム開発にかかる人件費や所要時間を考え提案された費用計算は、ソフトウェア会社としたなら経営が成り立たない。
市販の類似ソフトも視野に入れ、計算を見直し、適正な販売・保守価格を設定するべきである。




生産管理システムチーム



★自助機器の開発
(社団福祉法人 函館仁愛会 函館リハビリセンター)

 実際に自助具を必要とする方のための「オーダーメイド」の自助具を製作した。
今回は2つの班が別々のニーズに取り組んだ。


@ 絵筆交換システムの開発
 絵画を描くことを趣味とする依頼者に対し、補助を必要としなくても自らが絵筆を交換できるアタッチメントを作成した。
当初電磁石を用いる企画であったが、製作段階でアタッチメントの重量が重くなり、依頼者に負担がかかることなどが判明していき、結果的に軽くてシンプルな構造のアタッチメントの作成に成功した。
今後はさらに使い勝手が良くなるよう話し合いながら改良していく。


!?質問・意見の抜粋?!
絵筆の交換本数や、絵筆のバランスについて質問があったが、いずれも依頼者からのニーズをあらかじめ考慮しているものであった。




A デジカメ撮影用アタッチメントの開発
 上下左右に移動可能なデジカメを車椅子に装着できるアタッチメントを開発した。
依頼者から見て、カメラが見えにくい位置に向いていても、カメラが捉えた被写体画像は別の液晶画面を通して認識できるようにした。


!?質問・意見の抜粋?!
アタッチメントを取り付けることで、車椅子のバランスに関する質問があったが、全体の重量が増したことにより、かえって安定性が増したとの回答があった。







自助具絵筆チーム









自助器具を操作する学生




今年度総括
 企業経験豊富なマイスターが指導に当たっていることで、一貫して「企業におけるものづくり」におけるコスト・納期の意識が徹底されている。例えば「大手企業が真似できない技術で地域企業を保護する」という発想は、教員には思いつかないものである。来年度半期の取組が、より一層実社会を意識した実践的なものづくり技術者としての成長を期待させる取組になることであろうという認識を深めた。
 すでに出席いただいた企業から、次年度のテーマとして自社のニーズに取り組んでもらえないかという依頼を受けている。さらに、今回の依頼企業以外の企業から、成果を自社で活用したいなどという連絡もあり、予期していなかった地域異業種交流への波及効果も生まれている。


 




100名を超える出席者